Linuxサーバの移行が淡々と終わる一方で、Windowsサーバの移行はドメイン・ライセンス・共有フォルダといった「Windowsの生態系」ごと動かすことになり、想定外が出やすい領域です。現場で実際に踏んできた落とし穴を7つ、対策とセットで並べます。
01落とし穴①〜③:ドメインとネットワークの前提
- ① ドメインコントローラをイメージ複製で運ぶ — AD破損の定番コース。AWS側で新規DCを昇格して複製するか、AWS Managed Microsoft ADへの移行を検討(MGNの記事参照)
- ② 固定IP・ホスト名のハードコード — 設定ファイルやレジストリにIP直書きのアプリは移行後に沈黙します。事前の洗い出しと、DNS名参照への置き換えを
- ③ DNS参照先の切り替え漏れ — 移行後のサーバがオンプレDNSを見続けて名前解決が遅い/失敗する。DHCPオプションセットとRoute 53 Resolverの設計を先に
02落とし穴④〜⑤:ライセンスと時刻
- ④ Windowsライセンス認証 — AWS提供AMIから起動したものはAWS側の仕組みで認証されますが、持ち込みイメージは認証経路の設定が必要。BYOLには専有ホスト等の条件も絡むため、ライセンス方針は移行前に確定を
- ⑤ 時刻同期のズレ — オンプレNTPを見続ける設定のままだと、回線断でKerberos認証が壊れます。Amazon Time Sync Service(169.254.169.123)への切り替えが定石
03落とし穴⑥:ファイル共有とプリンタの経路
サーバは移ったのに共有フォルダの参照だけオンプレに残り、拠点⇔AWS間をファイルI/Oが往復して「全部が遅い」——移行後によくある構図です。ファイルサーバの移行(FSxの記事)をサーバ移行と同じ計画に含め、参照経路を揃えてください。プリントサーバや複合機のスキャン連携も同様に忘れがちです。
04落とし穴⑦:EOL間近のOSを「そのまま」運ぶ
サポート終了が近い(または過ぎた)Windows Serverは、持ち込めたとしてもセキュリティ更新の問題が残り続けます。移行はOS更改の絶好の機会なので、「そのまま運ぶ延命」と「この機に上げる」をサーバごとに明示的に判断してください。判断を先送りしたサーバの一覧は、そのまま将来のリスク台帳になります。
現場のコツ:全数を一気に上げる必要はありません。「外部公開・重要データに触るものは更改必須、閉域の社内ツールは延命可」のような基準を先に決めると、判断が機械的に進みます。
05チェックリストとして使う
この7つ(DC複製・IP直書き・DNS・ライセンス・時刻・共有経路・EOL)は、移行計画のレビュー観点としてそのまま使えます。MGNのテスト起動時の確認シナリオにも、この7項目を必ず含めてください。
Windows系の移行はEMWの得意領域です(AD・ファイルサーバ・基幹連携を含む移行の実績多数)。移行対象一覧に対する「落とし穴レビュー」だけのご依頼も歓迎です。
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