サーバ一覧には載っていないのに業務を支えているもの——部門のExcelマクロとAccessです。ファイルサーバ移行やPC更改のタイミングで突然表面化し、「これが動かないと月次が締まらない」と判明する。全社移行で必ず出土するこの「野良ETL」への現実的な向き合い方を書きます。

01まず出土させる:棚卸しの仕方

野良ETLは申告されません。ファイルサーバのアクセスログから更新頻度の高い.xlsm/.accdbを機械的に洗い出し、所有部門にヒアリングするのが確実です。「そのファイルが1週間使えないと何が困るか」を聞くと、業務重要度が浮かび上がります。移行プロジェクトの序盤にこれをやっておくと、切替直前の「動かない」事故が激減します。

023分類する:廃止・延命・作り直し

03延命の現実解:実行環境ごとAWSへ

延命組は「Excelのまま動く環境」をAWS側に用意します。ファイル置き場はFSx for Windowsへ、実行環境はWorkSpaces(仮想デスクトップ)へ。ファイルサーバとPCの距離が近くなるので、むしろ今より快適に動くことすらあります。マクロの中のパス直書き(\\旧サーバ名\共有)だけは一斉置換が必要——ここを漏らすと移行当日に一斉に沈黙します。

04作り直しの前に:データの正本化

作り直し組をいきなりGlueやLambdaで再実装するのは、順番が違います。野良ETLが乱立した根本原因は、正本データが配布されず、各部門が手元でコピー・加工するしかなかったことです。まず正本をS3/DWHに定め、部門が直接参照できる形(Athena・BIツール・共有データセット)を作る。それだけで「加工のためのマクロ」の大半は存在理由を失います。

現場のコツ:作り直しは業務部門との共同作業です。情シス側で勝手にツール化すると「前のExcelの方が良かった」と使われなくなります。現行マクロの入出力を業務担当者と一緒に仕様化する工程を飛ばさないでください。

05移行計画への織り込み方

野良ETLは「サーバ移行の後で考える」と後回しにされがちですが、ファイルサーバ移行・PC環境更改と依存しているため、切替日程は本体の移行と同期させる必要があります。棚卸し→3分類→延命組のパス置換計画までを、移行計画書の1章として最初から持っておくのが、事故らない唯一の方法です。

野良ETLの棚卸しと3分類、延命環境(FSx+WorkSpaces)の設計まで、EMWの移行支援でカバーします。「あのExcelが動かない」を移行当日に聞かないための準備、お手伝いします。

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